みんなのここまでの大きな成長に喜びを感じていると共に、
「今日もよい練習をしていこう」と、みんなに声を掛けてスタートする練習も、毎週の様に緊張感を持って臨んできた試合も、みんなと迎えるその時間が、もうないことに寂しさも感じます。
みんなは、北区大会では低学年・中学年・高学年大会を優勝することができました。
特に味の素フィールド西が丘で勝利した二回の決勝戦を忘れることはできません。
苦しい時間帯をしのぎ続けた後に、身体を投げ出すように決めたソウタのゴールや、
大会期間中にゴールの形を練習し続け、それを再現してくれたミツのゴール、
また高学年大会では、前半で先制された後のハーフタイムで、精神的にいらいらした状態から、見事修正し、
狙った形をつくって決めたコウノスケのゴール、延長になった中で、優勝を決定づけるユウトやコハルのゴールで勝利したこと、
そしてアメリカに引っ越すモモキの最後の試合を勝利できたことも、保護者の皆さんや在団している他学年の選手、
卒業生やそのご父兄など沢山の方にささえられたあの舞台で、みんなが笑顔になれたことは忘れることはできません。
ヴィルトゥスは、「競争・共創・今日想」をスローガンとしています。
選手と指導者しか共有できない日々の練習に嘘をつかず、仲間とも、今の自分とも、指導者と選手も競争し合いながら、その2時間を全身全霊で積み上げていきます。
それがあの北区大会優勝の様な共に何かを創り上げる「共創」となります。それは勝利への歓喜でもあり、時に敗戦で込み上げる大きな失望であり、悔しさとなる時もあります。でも結果のみならず、プロセスを共に分かち合ったものにしか、創り上げることができるその瞬間はとてもかけがえのないものです。
そしてこれから様々な壁にぶつかり、乗り越える必要が生じた時に、あの時を、今日を、思い出し、それを糧に奮起してほしいと心から願っています。
「越える」ということ意識して臨んだ六年生。
Tリーグでも、夏合宿でも、ウジョンカップでも、全日本U-12選手権でも、みんなは成長の階段を上っていきました。
これからはそれぞれ違うユニホームを着て、また違う場所で戦いますが、ここにいるそれぞれが刺激し合える存在として、これからも共に成長していってほしいと思っています。
その成長のために、みんなに話す最後のことばは、「諸君、狂いたまえ」ということです。
これは、幕末の思想家である吉田松陰のことばで、
「狂愚まことに愛すべし、才良まことにおそるべし 諸君、狂いたまえ」
まるで狂っていると思われるような情熱を持ち、周囲と違う行動を起こす人間は愛する存在であり、理屈のみで行動しなくなることが最も恐ろしい、諸君、まず情熱をもって行動せよという意味です。
みんなには主体性を求めてきました。
これからサッカーを行う中でも、どこでやるかではなく、なぜサッカーをやるのかが大切です。そのためには心に嘘をついてかっこつけたり、簡単にあきらめたり、投げ出したりせずに、心をたぎらせて、時にかっこわるく、もがいても苦しんで、時に周囲にきちんと頼りながらも、自らの気持ちの芯を太くしていってほしいと願っています。
昨日練習に来てくれた5期生・福元竣くんは、ヴィルトゥスの時はいつもレギュラーだった訳ではなく、
今以上に苦しい練習に耐え、リーグ戦や全日本、北区大会でレギュラーを掴んだ選手でした。
他の6年生、東京都トレセンが2人、6ブロックトレセンが5人という中でも、関係なく目の前の練習や試合を全力で取り組んだ選手でした。ジュニアユースでは公式戦にはほとんど出場することができませんでした。同じ代の選手達が高校選手権出場などもする中でも、自らは今自分がやれることを腐ることなくやれる。
昨日話していた中で、大学サッカーでは周囲が試合に出れずに不平不満を言う中で、自分はもうそういった経験は行ってきたから、出場機会を持つこと・サッカーをできることに喜びを感じて努力できたと話していました。
是非、主体性を大切に自分自身のサッカーと向き合っていってほしいです。
最後に保護者の皆様、お子様のご卒団、誠におめでとうございます。
またこれまで選手を、クラブを支えていただきまして、誠にありがとうございます。
Tリーグでは、いつもピッチ脇で、ヴィルトゥスのシャツを着て、横断幕を掲げ、黄色いメガホンで選手達を応援する様子に、選手も背中を押され、力になったことと思います。
これからは選手の成長と共に、応援のスタンスやお子様との関わり方も変わってくることと思いますが、時に見守り、時に手を差し伸べるベストサポーターとしてお子様を見守りつつ、是非、これからも変わらずヴィルトゥスのサポーターでいてくださり、クラブを見守っていただければ幸いです。
今度はそのみんなを「越える」ために、新6年生をはじめ、全員で努力を積み上げていきたいと思っています。ヴィルトゥスにいてよかったとずっと誇れるクラブで在り続けます。
卒団生・保護者の皆さん、みんな大好きです。
おめでとう。
令和7年3月20日 ヴィルトゥスサッカークラブ 小池一博
















